2013年09月26日

空気読むゾンビ。[ショーン・オブ・ザ・デッド]

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『ショーン・オブ・ザ・デッド』
製作:2004年・イギリス
監督:エドガー・ライト(『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』)
脚本:エドガー・ライト、サイモン・ペグ(『宇宙人ポール』)
出演:サイモン・ペグ、ニック・フロスト
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スリー・フレーバー・コルネット三部作
(↑wikiに書いてあったままの名称ですが、多分監督と脚本家のユニット名だと思います。)として、
最初に製作された映画だそうです。日本では未公開。
『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』(2007年)を観た相方が、
こっちも、と借りてきたので一緒に鑑賞。
ちなみに三部作の最後は『The World's End』という作品で7月に公開されたようです。

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ロンドンに暮らすショーン(ペグ)は、いい歳して人生の目標や目的を持たぬまま、
親友のエド(ライト)とパブに入り浸るばかりの冴えない毎日を送っていた。
そんな彼に長年の恋人リズもついに愛想を尽かしてしまう。
このままではいけないと自覚したショーンは、リズとヨリを戻すため、
これまでのだらしない生活を改めようと決意する。
ところが、ショーンが恋人のことで頭がいっぱいになっている間に、
街にはゾンビが溢れ、生きた人間を次々と襲っていたのだった…。
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『ゾンビ』のパロディ、という知識だけで観たのですが、思いのほか楽しめました。
吹き替え+日本語字幕で観られる、というのはDVDならではの贅沢ですね。
翻訳家・日本語脚本の腕の見せ所でしょうか。

低予算なので、ゾンビにも血にもお金かかってなくて、
でもその分、親近感も沸くし、好感も持ちました。
『スペル』と前後して観たのだけど(どっちが先かは忘れたけど)、
違った意味で、こだわったホラーコメディだなと。


主演の2人は『宇宙人ポール』の主役・オタク2人組だそうですが、
相方と共に気づきませんでした。わはは。
多分、彼らの(いい意味での)スター性の無さが、
2作品(+相方は鑑賞済の『ホット・ファズ』も含めて)に、いい味を出してるんだろうなと思います。

それと、彼らは脚本も兼任しているのですが、
自分達で書いたセリフの間とかを100%理解した上で演じているので、
テンポもすごく良いし、非常に見やすいです。
作り手として、実力のある人たちなんだと思いました。
(でも私は観ている間中、「エドに腹立つ!」と言い続けてましたが(笑)。)


物語については『ゾンビ』を観たことがないので比較出来ませんが、
リメイク作の『ドーン・オブ・ザ・デッド』と比較すると、スピード感はないです。

当たり前だよね。
『ドーン〜』のゾンビ、速いんだもん、走るのが。
(そこがすごく良かったので、
私の中では珍しく高評価なホラー映画なのですが。)

こっちのゾンビは動きがゆっくりで(これは元の『ゾンビ』に習ったのか。)、
でも、大群で向かってくる割には、ここぞというシーンで襲ってこない(笑)。
フツーは気付くだろ!!という''木は森に隠す''作戦とか、
絶対に無理があるけど、そこはやはりコメディですから。
そういうリアリティなんか、まあ、この映画においては必要ないよね。

でも、パロディながらも、シリアス要素の配分が意外と絶妙で、
情けなくてダメ男だったショーンがどんどんカッコ良くなっていく様子や、
最後までダメかと思っていたエドの見せ場とかもしっかりあるし、
親子愛、友情、そして恋愛の要素もありながら、
広げまくった風呂敷をしっかり畳んで、最後は大団円にまとめてます。
ああ、この脚本上手いんだわ、と思いました。


まとめ方は、『ドーン・オブ・ザ・デッド』のバッドエンドと比べると、
非現実的ではありますが(だってフィクションだもんね。)、
"みんな幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。"の方がハッピーで良いです。
押し付けがましくなく、無理のないハッピーエンドは見ていて気分がいいですね。


例えば、一昔前に流行った『最終絶叫計画』と比較すると、
かなり上のレベルの映画だと思います。
『最終絶叫計画』を(当時)VHSで観たとき、何が面白いんだろう、と思った記憶がありますが、
一言でパロディと言っても、色々あるんですね。
(『最終』シリーズ好きな人ゴメンナサイ。)

TSUTAYAとかでは余り目に留まることは少ないかもしれないけれど、
日本未公開、というのは勿体無い良作だと思いました。
B級ホラーコメディとして、『スペル』とはまた違った視点で楽しめる作品だと思います。
posted by tanako at 07:39| Comment(0) | B級洋画バンザイ。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月25日

ヤギ一人勝ち。[スペル]

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『スペル』
製作:2009年・アメリカ
監督:サム・ライミ(『死霊のはらわた』『スパイダーマン』シリーズ)
脚本:サム・ライミ、アイヴァン・ライミ
出演:アリソン・ローマン、ローナ・レイヴァー
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私は、世間で言われているほど、
サム・ライミ監督の『スパイダーマン』が面白いとは思わなかった人間です。

サム・ライミといえばホラー監督、というイメージが強かったので、
むしろ『スペル』のような映画の方が、手腕を発揮するのでは、と思っていました。
公開時には、TVのCMのバカバカしさに笑い、
DVDは相方が気になって借りてくれていたのを、ようやく鑑賞に至りました。

いやー、面白かった。

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銀行のローンデスクで働く女性、クリスティン・ブラウン。
ある日、昇進を意識していた彼女は、必死に懇願する老婆の不動産ローン延長の申請を冷たく拒絶した。
するとその夜、仕事を終えたクリスティンは老婆の待ち伏せに遭い、
不気味な呪文(スペル)を浴びせられてしまう。
そして翌日から、恐ろしい怪現象がクリスティンを襲う。
なんと彼女はその老婆によって、悪夢が3日続き、
最後には本当の地獄へと引きずり込まれるというあまりにも理不尽な呪いをかけられてしまったのだった。
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えーとですね。
これは、ホラー映画、という名目のコメディ映画です。
なるほど、観た人の評価が高いのも頷けます。
出来の良いホラー映画ではないけれど、素晴らしい出来のアトラクション・ムービーです。
『ファイナル・デスティネーション』とかに近い感じだと思います。
何というか、「ココでこう来るか!!という、"お約束"的な要素が、
観客が見たいものと、製作側が狙っているところが、非常に合致しているように感じました。

ちなみに私、元来ホラー映画は非常にニガテなのですが、
悪魔払い的な欧米ホラーについては、あまり馴染みがない分、比較的観やすく感じます。
その点でも、この映画は最高でした。


怖い老婆に、理不尽に呪いをかけられた女子が、
3日間、ひたすら恐ろしい目に合うわけですが、
いちいち、ホラー描写が悪趣味です、あ、いい意味でね。

とにもかくにも、大音量の衝撃音と共に、色々迫ってくるわけ。
顔アップ!!
ゲロ!!
刃物!!
それに対してヒロインが容赦なく抵抗するのも気持ちがいい。
殴る!!
蹴る!!
突き飛ばす!!
潰す!!
みたいなね。

日本のホラーって、うっすら浮かんだ影とか心霊系に対して、
「キャーーーーーーーー!!!!!!」と叫んだら終わりじゃないですか。
実態の有無にもよるかもしれないのだけれど、
欧米のホラーって、アクション映画にも通じる要素があり、別視点でも楽しめるのがいいですよね。
(逆に日本のホラーはミステリー要素なんかも結構凝ってるので、それはそれでいいんですけどね。)

ヒロインの置かれた状況は、かなり理不尽ではあるんだけど、
一方で、彼女自身が負い目に感じる部分もさりげなく上手く描かれている、というのが
この映画のよく出来たところな気がします。
全面的に老婆が悪いとも言えないけど、私の状況では仕方なかったんだ!!という言い訳的な焦りが、
結構、後半の展開に効いてる気がします。それも上手いなと。
(深夜のファミレスのシーンとか、いいよね。)

ラストシーンはあれでパーフェクトでしょう。
(相方は途中で気がついたみたいで、本当にその通りになりました。)
人によっては微妙かもしれませんが、もはやそれも問題ではないよね。
後味が悪い、というよりは、ホラー映画として王道、爽快感のあるラストでした。
(何つったって、原題が『DRAG ME TO HELL』ですからね。)


あとは、これ全然物語の本筋に関係ないんだけど。

山羊が、ずるい。
終始、山羊がずるいです。

深夜に鑑賞してたんですが、相方が見ながらウトウトしてしまっていて。
でも後半、悪魔祓いのシーン。
山羊でしっかり目を覚ましました。

物語の本筋にはほとんど関係ないんですが、
悪魔祓いのために連れて来られた山羊がね、本気で嫌がってんの。
もう何か、「動物奇想天外」のVTRみたいになってて、
相方と私、しばらく爆笑止まらず。夜中だっつーのに。

そして次のシーンでは、山羊、眠そうにテーブルに顎乗っけてるわけ。
相方、更に爆笑、ここで完全に眠気がぶっ飛んだみたい。
私は、このシーンの撮影に際し「山羊待ち」の時間があったんだろうな…と想像して、また爆笑。

もはやこのあたりになると、映画がどうでも良くなってきてますが、
そこだけは、レビューとかそういうの抜きにして書いておきたかったので書きました。
私達、山羊のシーンだけ何回も繰り返して笑ったし、
これから見る人にも、是非見逃さないで欲しいシーンです。

(ちなみに相方は、テーブル上での黒人のステップも特筆すべき笑いどころとして見直してました。)


とまあ、色々と書きましたが、
細かいところにケチつかないくらい、勢いのある映画だと思います。
これはこれで、全然あり。

すごいなと思うのは、このB級映画を、全力で撮っているサム・ライミの実力。
多分、手を抜いてる箇所がないんですよ。
全力で悪ふざけをしていて、観客がウケることを狙って作っていると思う。

いい大人が。。。と思いますが、そのスタンスはとても好きです。
お金をかけてバカ映画を撮る。いいじゃないですか。
それこそ、エンターテイメントだなと実感しました。

『スペル』という邦題も結構無理矢理つけた感ありますが、
数あるB級ホラーの中でも傑作だと思います。
posted by tanako at 01:13| Comment(0) | B級洋画バンザイ。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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